ハウスエッジに勝てるベッティングシステムはありません。マーチンゲール法、フィボナッチ法、ダランベール法、パーレー法は、いずれもいくら、いつベットするかを変えるだけで、どのベットにも同じエッジがかかります。そのため長い目で見れば、ベットした総額の同じ割合を失うことになります。システムが変えるのは結果の「形」です。たとえばマーチンゲール法は、エッジを多数の小さな勝ちとまれに起こる非常に大きな負けに変え、その負けがいつ訪れるかはテーブルの最大ベット額が決めます。私たちはカジノですが、このことはぜひ私たち自身からお伝えしたいと考えています。
このガイドでは、ルーレットのテーブルでのマーチンゲール法を実際の数字で追い、ほかの有名なシステムにも簡単に触れたうえで、セッションのコストを本当に左右する要素を紹介します。
どのシステムも逃れられない、ただひとつのルール
ルーレットの1回ごとのスピンも、バカラの1ハンドごとも、それまでの結果とは独立しています。テーブルはお客様が直前に3回続けて負けたことを知りませんし、そのせいで次の結果がお客様に有利になりやすくなることもありません。ここから、どんなシステムも逃れられない単純な等式が導かれます。
期待損失 = ハウスエッジ × ベット総額
システムは、セッション中のベット額の配分を組み替えることはできます。しかし、どのベットのエッジも変えられません。つまり、システムが平均的な結果に及ぼせる影響は、せいぜいベット総額を変えることだけです。そして負けた後にベット額を上げる方式は、ベット総額を増やす方向に働きがちです。
マーチンゲール法:計算例
マーチンゲール法のルールは、等倍配当の結果にベットし、負けるたびにベット額を倍にして、勝ったら基本のベット額に戻す、というものです。1回勝てば、それまでの一連の負けをすべて取り戻し、さらに基本単位1つ分の利益が出ます。何度も続けて負けることはなさそうに思えるため、安全に聞こえます。実際に何が起こるかを見てみましょう。
シングルゼロのルーレットで、赤に10ドルの基本ベットをするとします。赤が勝つのは37回中18回です。この例では、テーブルの赤への最大ベット額を1,000ドルと仮定します。実際の上限はテーブルによって異なり、各テーブルのインフォパネルに表示されています。以下の考え方は、どんな上限でも同じように当てはまります。
| シリーズ内のベット | ベット額 | それまでのベット総額 | このベットで勝った場合の結果 |
|---|---|---|---|
| 1 | $10 | $10 | +$10 |
| 2 | $20 | $30 | +$10 |
| 3 | $40 | $70 | +$10 |
| 4 | $80 | $150 | +$10 |
| 5 | $160 | $310 | +$10 |
| 6 | $320 | $630 | +$10 |
| 7 | $640 | $1,270 | +$10 |
| 8 | $1,280:上限の$1,000を超過 | – | – |
上限によって倍賭けが止まるまでに耐えられるのは、7連敗までです。7回続けて負ける確率は (19/37)7、約0.94%、つまりおよそ106シリーズに1回です。したがって、各シリーズの結末は次の2通りのどちらかになります。
- 約99.06%の確率で:+$10。
- 約0.94%の確率で:−$1,270。しかも倍賭けを続ける手段はありません。
まとめると、0.9906 × $10 − 0.0094 × $1,270 ≈ 1シリーズあたり−2.05ドルです。1シリーズのベット総額は平均で約76ドルで、76ドルの2.70%もやはり2.05ドルです。ハウスエッジは何も変わっておらず、まれに起こる大きな負けの中に詰め込まれただけなのです。
では、実際によくあるように、1,000ドルの利益、つまり100回の勝ちシリーズを目標にプレイしてみましょう。その100シリーズのうち少なくとも1回で7連敗が起こる確率は、約61%です。言い換えれば、「安全な」システムが目標に届く前に1,270ドルを失う可能性のほうが高く、そうなった場合、それまでのシリーズで勝てている額は最大でも990ドルなので、損失を埋めることはできません。同じ計算はバカラのテーブルにも当てはまります。プレイヤーにベットし、タイを除いて考えると、7連敗はおよそ116シリーズに1回起こり、長い目で見た結果は同じです。
テーブルの上限がこれほど重要な理由
テーブルの最大ベット額は、倍賭けのシステムを狙い撃ちするためにあるわけではありません。どのテーブルにも、ベットの種類ごとに最小額と最大額があります。ただ、マーチンゲール法がはっきりとした形で破綻するのは、まさにこの上限があるからです。上限がなければ、お客様ご自身の予算が同じ役割を果たします。残高1,270ドルは、1,000ドルの上限と同じ壁なのです。倍賭けでは、ベット額があっという間に膨らみます。10連敗すると、10ドルの基本ベットは11回目に10,240ドルになり、その時点ですでに10,230ドルを失っています。
テーブルを見るとき、最大額と最小額の比率から、何回倍にできるかがわかります。それは、そこでシステムがうまくいくことを意味するのではなく、続けられなくなるまでにどれだけかかるかを示しているにすぎません。
フィボナッチ法、ダランベール法、パーレー法
- フィボナッチ法は、負けた後に 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13… という数列に沿ってベット額を上げ、勝ったら2つ戻ります。倍賭けよりも増え方がゆるやかなので、破綻につながる連敗はより長く、よりまれになりますが、1回の勝ちでシリーズ全体を取り戻せるわけではなくなります。エッジも等式も同じです。
- ダランベール法は、負けたら1単位増やし、勝ったら1単位減らします。勝ちと負けが「釣り合う」ことを前提にしており、これは計算の形をとったギャンブラーの誤謬です。ハウスエッジのあるゲームでは、長い目で見ると負けが勝ちをわずかに上回り、それにつれてベット額もじわじわと上がっていきます。
- パーレー法は、勝った後にベット額を上げる方式です。勝ったら倍にし、通常は3連勝まで続けてから基本のベット額に戻ります。ほとんどのシリーズは小さな負けで終わり、いくつかのシリーズが大きめの勝ちになります。リスクを1シリーズあたり基本単位1つに抑えられるため、マーチンゲール法より穏やかですが、期待される結果はやはりエッジ × ベット額です。
どんなバリエーションでも同じです。ラブシェール法、「1-3-2-6法」、スコアボードにパターンが現れるまで定額でベットする方法なども変わりません。平均して2.70%ずつ負けるベットを並べたら、どう組み合わせても平均して2.70%負けます。
システムがうまくいくように見える理由
マーチンゲール法は、実際にほとんどのセッションで勝ちます。短いセッションなら7連敗を避けられる確率は高く、何週間も小さな勝ちを積み重ねることもあり得ます。だからこそ、このシステムの評判は廃れないのです。終わりを告げるまれなセッションは、システムがついにそのコストを見せたというより、運が悪かったように感じられます。スコアボードや「ホットナンバー」は、過去の結果をパターンのように見せることで、その印象をさらに強めます。そうしたパターンが何も予測しない理由は、バカラの罫線のガイドで解説しています。
セッションのコストを本当に左右するもの
使うと見込まれる金額を本当に変えられる選択は、次の3つです。
- 選ぶベットのエッジ。バカラのバンカーは約1.06%、8:1のタイは約14.4%のコストがかかります。シングルゼロのルーレットは2.70%、ダブルゼロのルーレットは5.26%です。バンカーとプレイヤーのオッズとルーレットの種類のガイドもご覧ください。
- ベット額。コストはベット額に正比例します。控えめな定額ベットなら、どんな方式にもできない形でコストを予測可能に保てます。
- ラウンド数。テンポの速いテーブルほど、1時間あたりのラウンド数は多くなります。同じベット額でもペースが2倍なら、1時間あたりのコストも2倍です。
失っても構わないと思える予算を決め、望むセッションの長さに合うベット額で割り、使い切ったらやめましょう。これは勝つためのシステムではありません。そもそもそんなシステムは存在しません。一晩にかかるコストを前もって把握するための方法です。
負けを取り戻そうとしていると感じたら
負けた後にベット額を倍にすることは、負けを追いかける行動そのものでもあります。お金を取り戻すためにベット額を上げている、予定より長くプレイしている、やめると決めた後にまた入金している、といったことに気づいたら、休憩を取りましょう。天下ベット では、アカウント → 自己排除から24時間、7日、30日の自己排除を設定できます。また、責任あるギャンブルのページでは、無料で秘密厳守の支援を提供する独立した団体を紹介しています。
よくある質問
マーチンゲール法は効果がありますか?
いいえ。ほとんどの場合は少額を勝ちますが、連敗がテーブルの上限や予算に達したときに、まれに大きな額を失います。長い目で見れば、ほかのどんな賭け方とも同じく、ベット総額に対してハウスエッジ分を失います。
ルーレットやバカラに勝てるベッティングシステムはありますか?
ありません。各ラウンドは独立しており、どのベットにもハウスエッジがかかります。そのため、ベットの順番や金額がどうであれ、期待損失はエッジにベット総額を掛けたものになります。
カジノにテーブルの上限があるのはなぜですか?
どのテーブルにも、ベットの種類ごとに最小額と最大額があります。倍賭けのシステムにとって、最大額は倍賭けを続けられなくなる地点であり、そこで連敗が大きく取り返しのつかない損失に変わります。
ギャンブラーの誤謬とは何ですか?
しばらく出ていない結果ほど次に出やすい、という思い込みです。たとえば、バンカーが続けて勝った後は、そろそろプレイヤーが勝つはずだと考えることです。独立したラウンドでは、過去の結果が次のラウンドのオッズを変えることはありません。